2007-09-13から1日間の記事一覧
二十九日の月の入りは針より細い影を爆ぜ、じっとりと赤く、まるでひとつの粘膜のように侘んでいた。地球照が薄仄かに冷めていく、そのひとつに漸く君を識る。僕らは随分と愚かな傷を舐めあっていたようだね。いとも簡単に美しく見えてしまった鏡のような水…
二十九日の月の入りは針より細い影を爆ぜ、じっとりと赤く、まるでひとつの粘膜のように侘んでいた。地球照が薄仄かに冷めていく、そのひとつに漸く君を識る。僕らは随分と愚かな傷を舐めあっていたようだね。いとも簡単に美しく見えてしまった鏡のような水…