2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

オフェンバック

こんな陽気にどこにも出かけない。この後は仕事だから、出かける用事も出かけたい場所も見つからない。想像以上に冷えた爪先は塩ビっぽくて、気持ち悪くて切り落としたい。 音楽だけが、今、私の世界のような気がして、失くならない微熱と、失くなりそうな感…

あいなき世界

届いたけど読まれなかった手紙、ぐしゃぐしゃにしてくれたらいい。嘘でもいい、こんな私に惜しみない拍手を。私は少し泣いて、半分は諦めて、もう半分を引きずっている。 象の足の400年後は、セックスばかりの若者の50年後は、地球の26年後は、結局口だけの…

旅は道連れ

大切なものは、大切な人達に全部あげた。よく聴いたレコード、ターコイズの腕輪、エレキベース、カメラ。好きなものは全部売った。いらないものは全部捨てて、秘密は全部葬った。 多分僕は幸せで、みんなも幸せで、だからこそここじゃない所を目指さなきゃい…

見えない

数多の怒号の中で、正義を貫くための血と権利を守るための血を流し合う。 僕らは一体どこに向かっているのだろう。

スリープ・ミー・クレイジー

春の雨の匂いほど僕を慈しんで呉れるものはない。不眠症の瞼に射す凹凸のない曇り空の反射光。こんな朝は、雨音だけでいい。月の入りと同時に出生した僕は、何か善からぬ物怪に憑かれている、なんて言う悪い夢ばかり見ているのさ。にやけ顔で落ちる睡眠不足…

知らない

お前の真相など知り得ないことぐらい判っている。寧ろ、吐く嘘すら理解しているのか、不安だ。俺はお前の何を見聞きし解っていたのだろう?そしてお前は俺のどんな言葉に頷いていたんだ? 揺らいでしまう、疾走する、黄昏色の風景は、嘘ばかりだった季節を軽…

会いに行きたい

四月の素晴らしきやさしさが、 僕をどこかへ追いやってしまいそう。 愛している、 なんて、 少しの嘘も無いんだ。 なさけない僕を、 どうかどうか笑ってくれればいいんだよ。 昨日、 薄着で、 少し汗ばんでいた君の背中の曲線に偶然触れたんだ。 右の肩甲骨…

雨乞い

夕暮れの言語で喋る少女ら!目隠しで生きるには障害が多過ぎるから、誰かの真似をして進まなければ罠にはまってしまうのさ。 秘密のレコードには針を落とせずに、妄想だけで奏でた新世界のワルツは五線譜に描けない。白痴な夕に突風で雲を呼ぶ僕は雨男で、近…

知識の殺人

僕らにとっての永遠なんてこれっぽっちも可能性がない。αρχη!宇宙は科学の領域か、それとも神々の庭なのか?僕は泳ぐ、エーテルで満たされた光の泥土の中、肉眼では到底見抜けない深宇宙に焦点を結ぶ。医学の進歩で生き延びていける、悲しい脳死患者の意識…

美しい罪

人間としての形を保つのには、その浮雲は軽すぎる。春は、もう来たと言うのに、この足は悴んでいる。花は散ったよ、次の季節が来るのさ、ここにも。ただ白い! 止まりそうな心臓が動いているその振動が、世界樹の下で言葉を吐き出し続けるけど、その言葉を誰…

同性愛

完結しない僕の掌にちぎれた生命線の死骸が横たわっている。きっと、もうすぐ、選ばれる予感。自らを追い詰めるつもりはないよ。淘汰される運命とやらを受け入れるだけ。 人々は結局、常識の範疇外の生命を病気や気狂いと一括りにしたがるから、そうさ、お前…

君の随に

人差し指の切り傷が三日月みたいな形、してたから、私は今日も霙を啄む畸形の狗になる。夜明けは別に君を救う為に来るのではないことを、私は知っている。 道徳など、皆もう疾うに忘れてしまったから、私の鬱血、化膿した傷口がじんわり火照る。世界はどうな…