2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

when i must draw

見て、僕の扉を開ける。内臓が熱くなる、きっと、ちゃんと僕の身体の中に心が収まっているんだろう。僕の衝動が黒いインクになって紙の目に染みていく。生きたい、だから絵を描く、僕の無様な慟哭がそのままの形で出ないように必死。もう子供ではないから、…

雨天決行

頭痛がするくらいの妄想で大雨の中を掻き分けて迷走中、沈みそうに不安定な僕の手を取って、摂氏三十六度の円を構成した。天国に続く神様の方舟はいつだって僕を迎えに来ることもなく、頭上の不透明な雲の上でやうやうと泳いでいく。 だって知らないだろう?…

首吊りロープ

そうか、知らない町へ行くのか、もう少し僕に喋らせてよ。もうすぐ来る季節にどんな気分で臨もうか。競合する原風景の眺望、世界の真っ只中で見透かされそうな暴走、ささやかな歌や食事で君を愛するという事を具体化したい。意味などないんだ、ないことに意…

沈黙

いつまでも正しいと思わないように果てしなく戒めている最中、けたたましく湧く僕の足元に舞い上がる砂塵。言葉で生きる、感情で生きる、リズムで生きる。それが誰かを傷付け、殺すことを知っている。でもそれが誰なのかを僕は知らないんだ。無知でいる世界…

毒の海、夜

生き延びてもいいですか?容易い海に戻るようにそっと掻き消えたい。ああ、ああ、白くなった口笛に何れは冬を呼ぶ雨すら許せそうで、磔になった君のやわらかなケロイドが綺麗さ、二人、愛と呼んだ嘘の呼吸を合わせている。 求めすぎた罰が遠い星を隔て、猛毒…

伝言ゲーム

身体が酷いスピードで褪せていく。真意はいつまでも伝わらない。伝言ゲームですれ違う僕の表現とやらを、無能だと笑っているお前が僕を一撃で殺さない。愛していたアスファルトに擦り傷ばかりで散らかる僕が悶絶している。 何より一番恐ろしいことは、お前は…

プラットホーム

夜明けぬ朝朗けのプラットホームに無言の群れが潜んでいる。破っても来る沈黙、分刻みで重なる日常に疲弊し、薄れた期待に期待している。曇り空の罅割れに青白い空を覚えては、見なかったことにした。新しい光を受け入れる余地もなく、今はただ東京を貫く銀…

次は無い等、解っている。しかし

どうせまた爪先に金木犀を枯らす雨が降る。呼吸の度に脣の淵が冷える。巨きな河を越えるとそこは東京であった。ガラス戸を開け放って十月を迎え入れると、僕は夏掛けの薄さにはっとする。灰色の雲が流れているのか留まっているのかすら判別できないくらい平…

キネマ

僕は、泳いでいる。降りだした雨が廃墟の頬のように冷たく、夜警は悪意の中、潜めた罵声と愛憎の分裂をして鬼火みたいな燻りを見せていた。お前の影が僕に多くを望んでいる。目論んだ残像、訝しい共鳴、今呪ってやると微笑んだ僕の眼を、緝えろ。戯け合って…

鈍ましいほど平坦な霧が晴れない。痛ましいほどの安寧が空を飲む。僕の頬が微かに震えたら世界は一つの決断と、六十と六億の犠牲を払う。知らず知らずのうちに蜩すら死んで、何を描いていたんだとか、誰を愛していたんだとか、よくわからなくなって、曖昧な…

ダスターシュート

ああ、疑うな、人間の致死率を。永遠と言う言葉に恒に付き纏う猜疑心は、そうさ、僕らいつか果てなくてはならないと触れ合う掌の温度が感付いているから。君の心臓の音を聞かせて、僕が眠れるまで、不安でもうどうにかなってしまいそう。戦うことも無くなっ…

霧雨絵画

身体が巨きな何かを望んでいる。果てしない暴走が尽きる時、僕の暴言が軈て一枚の絵画に成れたら。妄言主義者の命が笑っている。 地獄のような吐息が僕の頭上に吹き荒れている。この寂寞に何て名前を付けてあげようか。一つの行為、一つの占星術、今光を以て…