2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

スランプ

排泄のような気持ちさ、体が点であることを保つ為のメソッド、拡散してしまったら、僕は実体のない薄い影を引き摺る亡霊になる。吐き尽して枯渇したレトリック、東京タワーを中心に首都高環状線はそこにあり続ける。生き延びることでしか僕が僕でいられない…

交尾

また新しい前進、無能の愛、干凅びていく暴言が善意の笑みに打ち砕かれて足元には砂漠が増える。茨の蘿、一匙の腥血で明と滅を繰り返す魔物の影。冷たい海に沈むくらいならお前を想って溢れてしまった一粒の涙に溺れてしまいたいんだ、息をしないでいられな…

睡眠障害

歪んだ地平線に支えられた重い身体を横たえ、背骨の羅列の通りに薄っぺらい呼吸を繰り返す。悲しい自慰で震えた皮膚を舐めれば救われた気分にでもなるだろうか。一瞬見せた躊躇いの表情に血が引いてしまう、辟易としている烏が溜め息のような声で泣いている…

答えがないことを恨んでいるんじゃなくて

瞼の下で踊る酷く冷たい雫の名前を何度も呼んだらさようなら、朝を待つ指がピアノの上で最後の素数を追い駆ける。七つ目の罪で惑星は廻ることを考慮して、夜の緞帳に投影された細い月の磔刑に甘んじる。神様の裏切りを模写した金鶏の声で冴えた眼を伏せてし…

バターナイフ

黙りこくったまま下らない悲愴感に打ち拉がれている。網膜から脳まで走る視神経の途中、光のスピードで消失する映像でありたい、絶え間なきお前のレンズに透過され続けていたい。ただそれだけを望む薄汚れた毛布に包まって柔らかくなった僕の没落する孤高を…