2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

秋雨前線

そのロマンスに抵抗しない。上半身には鉱物の中で眠る者を、下半身には新しい犯罪を。僕らは青い血を携え、如何でしょう、もう消えかけている八月の亡霊と対峙するこのザマは。霧雨に傘などいらない、裏切りにやさしさなど望んでおらん、愛すべき者はいつだ…

ロスト・ネーム

癒着していく核心の中で産声は高鳴るように神無月を切り裂いて往くパレード。白々しい嘘を赤に染めたらいつかの海を抱き締めたい!椿の書庫まで迎えに来て、無口な人よ。爆ぜた積み木を食い止めるには神様にでもならなくてはな、重力に甘えて身体を保つ僕の…

埋葬症

あなたは永劫の空白の中を生きる、会えないなど理解している。遊び疲れた僕らは血に果て、大いなる潮に巻かれてもこの手を離せずにいたい。尖った三日月の向こうにあなたへの扉が続いている、期待は叶わないとしても張り巡ってしまうから一思いに閉ざして欲…

刑法77条

今日の世界はこうもゆっくりと叶わない指と指とを組み合わせて、もう一度明日の夢を見て、僕の下腹部には君がいない。同様にして太陽の往来の軌道計算、恋という化学物質、爆発しそうな果実を抱える僕の血は赤いのさ。革命前夜の作り上げた火炎瓶と再来年末…