刑法77条

 今日の世界はこうもゆっくりと叶わない指と指とを組み合わせて、もう一度明日の夢を見て、僕の下腹部には君がいない。同様にして太陽の往来の軌道計算、恋という化学物質、爆発しそうな果実を抱える僕の血は赤いのさ。革命前夜の作り上げた火炎瓶と再来年末の死刑宣告に今笑う僕らの熱を無駄にしない、ねえ、こんなにも純粋な暴走を許してくれるかい?これを愛と呼んでいいのかい?

 光を主張する放送は今日も砂嵐で、新宿三丁目駅から枝葉のように伸びた末端神経と毛細血管に脅かされている。喝采はあふれんばかりの極論です。何度だってこの夏と心中を試みた!それでも僕は腹が減るし、瞬きを忘れないのはどうしてか、なんて思っている僕の右手には君の生命線が触れている、揺れている、揺らいでなどいない。