2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

クロールとダイナマイト

いつだってどこからか血は滲み続けていた、永遠は常に鬱屈する幻想である。時限爆弾を抱えたまま、足りない風速に呼び寄せた白波が消波堤に砕けて、無意味な傷に汐は届かないと知って。東京へと続く道の知らない桜を辿って繋いで星座にしよう。隠匿にも似た…

IKASAMA

転がっていく途中で鳴りだしたサイレン、痛いのは喉、溢れて止まない朿の所為。裏切りすら辞さないと言った割には、私から逃げていくのはどうして?新しい旭を乞う度に雲が晴れず、鬱血しそうなくらい握り締めた掌にはちゃんと血が滲む。あんたはどうせこの…

MABOROSHI

塊が喉に痞えて、僕は黙る。会いたいなんて言ってはいけない。光の侮蔑で明日が晴れる、右手の傘を捨てたなら、雨を呼んでもいいですか?この電車はお前の街には向かわないと知っているくせに、お前は狡い。大きな荷物のことばかり気になって、終点に着く頃…

グレイトフル・デッド

地球の真理はマグマの中で理路整然、日射しに溶ける影に滲む。僕らの夜明け前にも似た青さは尖っていた、港行きの切符で涙を拭う男は海に砕け散る。赤線地帯で女衒は笑ってさようなら、明日はきっと来ないなど重々承知の上だった。猫には猫の儀式がある、犬…

花魁

気が狂いそうな桜の暴走、ロゼットのバラを待つ夕べ、眠りを忘れて生き延びるのを辞めるのも時間の問題。現を抜かせ!馬鹿者!重力すら耐えられない潮水の胸の谷間、欲情したって届かないじゃないか。何度だって東京湾へと続く道を裸足で駆けて、逃げた。夜…