2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

金色

次はきっともう無いから今すぐここで終わらせてもいい。でも僕は君に生かされた、から、ちゃんと明日も見届けたいんだ。美しい死に様で西に潰える陽に焼かれ、蘂を這わせたクレマチスが、萌える。夏の音が迫った儘、四方の街並みにも朱が染み付いて、陋劣な…

あやとり

夥しい細胞分裂を繰り返して複雑化した社会にはいつの間にか死角だらけで、剥落した行方不明者たちは空を忘れたんだ。君とはぐれて行き場のないあやとりがいつしか枷になっている。少し温いべとついた世界、君が踊るよ、見つからないまま夜に惑う。平和なだ…

ルイナー・ランナー

好きで堪らない、を、言葉にすれば嘘に聞えるのかな?それでも今日、君に心揺らす一言を言えますように。深層心理に彩られた僕らの言葉たちは、自分すら本音なのか嘘なのか解り得ない。 お互いに詮索しあうのは止めよう。って、言い出したのは僕の方だったっ…

落差

見失ったまま残る地平線まで続く直線のアスファルトの上、変わらない明日がある、から、不安。どこかへ向かおうか、でもどこへ?最初に失ったのは方法で、その次は情熱で、欲しても選んでくれないお前の手と手。強いアルコールを摂取しようと、はたまた涙に…

プロメテウス

豪雨の途中で一瞬の青空、幻だったのか?僕の眼は都合のいい状況を勝手に投影して、消えてしまったことを心の底から悲しんでいる。不特定多数の失意の面影に大時化の渦が潜んでいる、掻き毟られた心が歪まないように捩る身。ずぶ濡れの身体を引き摺って、光…

間引き

夜が来るのが本当に好きだから、だから朝は悲しい。太陽がやっぱり僕のリズムを創っていて、それは誰しもが抗えないことだから、僕は太陽の下で生きることをちゃんと愛しているんだ。ああ、どうしたって、あと数億年で僕らは須く死ぬんだ、この星はその日ま…

新宿追分

焦点すら合わない地下鉄の風はただ眼球から水分ばかり奪って地上に逃れる。僕は下駄を高らかに鳴らして、東京は新宿を闊歩している。都庁前から御苑へ抜けたい。ああ、邪魔をしてくれるな、雨を喚んでしまうよ! 無知な若者たちは自らが模倣しているスタイル…

恋愛の真理

横たえた身体がどんどん重力を吸い込んで、訳もなく眩しい朝の密室のような空気に沈む。本当はこのまま二度と目覚めなければ幸せ、だったりもするけど、あと数時間後にはきっとこんな記憶も整理されてしまって、消える。夜を構築する蟲達のぎちぎちと軋む鋭…

バベルの塔

覚めない夢から覚めてしまったような、意外にリアリストの自分に釈然としない呆然を覚えた。長くなり過ぎた髪を掻き揚げて、それでも項垂れてくる前髪、切り落としてしまおうか、それとも。夕暮れ前に起きて、北向きの窓からギリギリの角度で入り込んできた…

金曜日

意識をなくした脱け殻が縋る壊れた方位磁石、同心円周をぐるぐると彷徨っている球の上で、光る!世界の終わりの空は晴天であればいいな、死の灰も黒い雨も降らずに、拍子抜けするくらい美しい風景。僕の心臓が、全身に酸素を送らなくなったら、これは死を意…

I am sinking.

狂奔して手にした僅かなものですら直に裏切るから、僕が堪らず言ってしまった嘘、今更、針のように喉に刺さってる。つっかえて出ない本当にいいたかった言葉が融解して、沈む!心の宏遠な海へ。 明け鳥の囀りや匂いの微妙な変化を感じ取って、舫いだ船舶がD…

亡霊の季節

草野原の上に立つ、幾百もの亡霊、八月が近付いているんだね。夜霧は低く垂れ、濡れていた頬をほら容赦も無く濡らす。吐きかけた息を無理矢理吸い込んだら陰険な初夏の味、草木の出す粒子も全部全部剥がして、踊るように帰ってしまおう。AでもなくBでもない…

インソムニア

僕は風車を全部燃やしてしまったんだ。からから、骨が踊る音に似てる微弱な音の大群。眠りを忘れた僕の脳が神経を砥いでいて、薄っぺらな氷の膜みたいで、君が作り上げたこの翅音が踏みつけてしまった。戻らない、僕は炎で配列を変えたんだ、黒く焦げていく…

8

結局私がどうしたところで、お前は、お前のせいで海に沈んでしまう月の下の8つの島の名前なんて知らない。罪の意識のない罪ほど性質の悪いものはない。お前が愛のためにわがままに人を殺したとして、それを許してくれる人がどこに居よう?ああ、でも、こんな…

6

何だか、僕は今日の天気はもうすぐ変わるような気ばかりして、鼻腔の奥で蹲る切ない器官をなけなしの鼻歌で慰める。あの人たちは、いつの間にか遠くへ行ってしまって、よく知っているのに、よく解らない世界があるんだな、って、ほらね、僕は動かない足を筋…

春病

翳る部屋は鬱蒼とした蟲を蓄えていた。あの影の部分に自分の右心房に戻る血を重ねたり。キラキラした魔法を唱えたらみんな幸せになれたかなぁ。幸せという価値の違いに気付けない、僕はまだ哲学足らず。 ハルジオンが咲く。柔らかで粉っぽい、食べたら苦い。…

いきのびる

君が伸ばせない手、僕に愛の言葉なんていらないよ、なんて、嘯いてみたり、どうしようもないな。意地っ張り、欲張り、強がり、嘘つき、僕は君の弱いところ全部受け止めるつもり。

いきる

ああ、結局僕の詩など、 の、後の言葉がつづかないんだ。言ったら、僕は死ぬしかない気がして。 僕は君の真意を知りたかった。