I am sinking.

 狂奔して手にした僅かなものですら直に裏切るから、僕が堪らず言ってしまった嘘、今更、針のように喉に刺さってる。つっかえて出ない本当にいいたかった言葉が融解して、沈む!心の宏遠な海へ。
 明け鳥の囀りや匂いの微妙な変化を感じ取って、舫いだ船舶がDとXの旗をあげる。いらない言葉を選んで夏が来たことも大して憶えていない僕らは、肩書きや世間体に拘り過ぎていて、結局何もない二人の形跡を独りで手繰る。
 追撃で墜ちる尖った兵器が忌の際で君を哂うんだよ。ぬるつく朝靄が少しの膜で明かない瞼にモノローグを、失くしたものは何だったけな?名前がない、それなら何度も、呼んでも呼んでも意味がないんだ…。