2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

帽子屋

お前の光を、私はにやにやした冷笑で侮蔑したんだよ。お前の影はお前にしか貌る事が出来ぬのだから!私の針はヴェルヴェットしか許さない、シュトライメルを縫い合わす、私はもう興奮してしまうのだよ。気付かないのは、お前の両の眼は五線譜に敷き詰められ…

ピアニスト

僕はさっと飛び立って、それでも影はついてきた。青い亡霊の呼吸のリズムで僕は永久に踊らされるんでしょう?君は僕の影を解いてくれやしなかった。君のその金の針で、君のその絹の糸で、僕の不精な影を縫いつけた!僕の指がうねる、ああ、僕の指はここにあ…

もやもや

許してよ、ああ、僕は墜落していく!

コンクリート

東京コンクリート、地面は固い、骨の埋め処が見つからない。

夜と海

そう易々と眠りに陥らせてはくれない。吾が夜は丸で地獄だ。覚醒が覚醒を喚び、狂う波、寄せては返す。

御覧や、東京の血が流れよる。

三週間

多分、君にもう許されないとしてもしょうがないと思う。僕はひどい事をした。隠蔽の果てに僕だけ許されようとした。 昨日のタイミング、あの電話に出てよかったんですか?

爬虫類

爬虫類みたいな眼で急速に暮れゆく街を見ていた。この街から見る夕景は途方無く美しいことを僕は知っている。あと五分後には消え失せてしまう綾成すファブリック、纏えない、君もそうさ。 去ってゆく去ってゆく、左眼の端から現われて右眼の端へと消えていく…

夕べ

すれ違う、求めあう、それでも僕が真理へと近付けない。

やさしい悪魔

俺はもう成り果てたのだ、ああ、きっとよからぬ者に。何かを手に入れるために、俺は顔と名前を失って、それでも手に入れたものはなんだったのであろうか?俺は忘れてしまったのか、手に入れてないのか、御望み通りか、それとも騙され続けているのか解らなく…

皮肉

君の優しい裏切りに、僕は爪先から髪の先までとっぷり浸かって、どうしたら言いか解らないからとりあえず笑ったんだ、鼻で、小さく呼吸するみたいに、は・は。どうしたら君のことを引き摺らずに済むかな?こんなことを考えられるようじゃ、まだまだ無理なん…

不眠症

さっきまでの眠気はどこへ掻き消えてしまったんだろう?褥に満たされた私の頭上には真っ黒な夜の影。脳の中で繰り返すもしもがそこら中に溢れてる。下らない自問自答。もしもあの時あんな事を言わなければ、もしも私が我慢し続けていれば、もしもあの日お前…

粒子

全部辞めて見た!空が裂けるのを、僕はこの眼で見たんだよ。冬の魔法で光を失くした街や河やプラタナスに、渦巻く空から落下する光線に僕は呼吸をも投げ出しそうなんだ。 深い渓谷の底で光を待つ二つの眼に、僕の眼は似ている。

猗!

愛してるとか、一生とか、永遠とか、どうせ半端な気持ちで吐かれたのかと思うと、本当にあの日、死ぬか殺すかすれば良かったんだろうな。結局私は生きた、お前も殺せずに、私は。 最終的にお前が言いたかったことは何だったのか、今でも少し思い出すよ。判る…

行方知れず

僕と世界との差異や異和を埋められない。網膜と脳の間で消失した電気信号まで愛したい。失せ物は何だったか、目的地などあっただろうか?僕の失踪した疾走する理由をひとつひとつ、出来れば全て、記録しなければ!人間とは容易く忘れてしまう生物だ、今日の…

国道298号線

路上を誰かが駆け抜けて、そして消えた、十字路の真ん中で、次はそこに僕が立っている、夜の十二時。点滅を不安なリズムで繰り返す街灯の白い光の下に無数の銀の糸が垂れたり上ったり翻ったりしてる。僕の横をまた誰かが走って、南へ、突き抜け、また消える…

咎めと侮蔑

君が僕を責めた分、僕は君を侮蔑した。君の我儘はいつまでも許される筈もなく、僕の我儘は一度も許されなかったね。 アンフェアだ!この世は、何を諦めて生けば良いのか!僕が君を裏切り続ければ良いのか?許されもしないのに、僕は。

私の毒

私の毒は私のものだけであって、お前が私を解毒するのは許されないと思うのだ。お前が正しいと思うことが、私にも正しいことだとは限らないんだ。お前のルールで裁かれて、私が物言わぬ怪物になったその時は、その時は一緒に死んでくれるというんですか?逃…

幻惑

恐ろしくなって覗くカメラのファインダー、失うなら今!全部奪ってよ。真実を映すのは鏡かカメラか網膜か?

退廃派

崩壊してもまた築き、人間は美しき愚行をとめどなく繰り返す!

アンチアンドロイディズム

死ぬほど寒い日、死ぬほど寒い夜、案外呆気なく僕らは終わった。終わった、と言うか、終わらせたと言うか。結局泣きもしなければ責めもせず、怒鳴りもせずに、ただ妙に淡々と何となく終幕に向かって行って、だらしなくて落ちも無い、後味の悪い演劇みたいで…