爬虫類

 爬虫類みたいな眼で急速に暮れゆく街を見ていた。この街から見る夕景は途方無く美しいことを僕は知っている。あと五分後には消え失せてしまう綾成すファブリック、纏えない、君もそうさ。
 去ってゆく去ってゆく、左眼の端から現われて右眼の端へと消えていく僕の見慣れた景色たち。さようならああさようならああ。