2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

臨月

君の爪を追い駈ける僕の瞳が乾いている。選んだカードで犬が吠え、西の空に嬰児を孕む満ち過ぎた月がじっとりと沈む。辰巳の空中から見た東京の亡霊がゆっくりと赤色の息を吸い、そして吐く。月桂樹の輪に踊る君の未来との融合、汲み取った水をまた海に返そ…

いましめ

疎かにしてたもの、それで失った大切な何か、やらなければならないこととやるべきこと、やりたいことをやりすぎた身体が元には戻れないくらいに融解し、もうすぐ自分が自分ではなくなる。弾けてしまいそう、いや、弾けてしまいたい。何かを忘れるふりして、…

ランプとジャンクション

真っ黒な世界がもうすぐ終わるとか考えていた数年前の祈る手の影、新しい洗脳、未来のシンパシー、軽い衝動で。風の強い国で君を見失い、あれだこれだと結論ばかりで手を汚さずに土を掘るやり方で満足していた。僕らの血と肉が逖い影に酔う、踏み込む度に僕…

鳥葬主義

失語症の鳥は群れを成して沈黙の塔を探してしまう、弾けた胸に開いた青い数は逆さまに落ちる証拠。太陽に遮られた導きの星は今は何処を回っている、夕が焼ける、その習慣にどうして毎回胸を撃たれてしまうのかな。 不埒な交尾くらいでしか繋がっていられない…

球と言葉

何とはなしに息をする瞬間を意図的に感じていたい、誰かから授かった言葉の先にあるものはなにか知らない。書き続けるこわさと書けなくなるこわさはどっちがいい?選びきれないでいたら妙に熱を帯びた惑星の上に立っていた。誰かのせいにして、解った振りで…