いましめ

 疎かにしてたもの、それで失った大切な何か、やらなければならないこととやるべきこと、やりたいことをやりすぎた身体が元には戻れないくらいに融解し、もうすぐ自分が自分ではなくなる。弾けてしまいそう、いや、弾けてしまいたい。何かを忘れるふりして、投げ出す余裕ににやついて、自らが裁いて罰を与えているような気になって、馬鹿らしい、阿呆臭い。二月はいつだって背中に入り込み不条理な痛みを与えてきた。明けそう、そんな三月を待ち遠しく思っている、大切な記念日と、君と死のうと思った暖かい日。悲しいかな、何を求めている?逃げ道や免罪符で輪郭を描く、特別な力なんて嘘で色をつけて、生きている事が半分は本当じゃないような、そうではないような、曖昧な泥に身体を沈める。見放さないで、神様!神様がいるなら、そんな台詞も容易く吐けるものなのに、畜生、とか、躊躇って、世界が今真ん丸である意味が解る。身体の理由はなんだろう、大人になったと思ったのに、まだ仕組みを理解していないなんて。
 夢を見ていた、大きな何かに飲み込まれ、想像以上に速く、見知らぬ街へ流されていく夢。朝が来ても夜を見ても、明けなかった長い長い夢が、ようやく終わる気がする。受け入れられるかな、長い間逃げてきたその壁を、また眠ってしまうんだろうか。かなしい、おそろしい、君の手を取らない、君も手を取らない、そんなぽつねんとした孤独に引き裂かれても、ここにいるよ、いたいよ。