球と言葉

 何とはなしに息をする瞬間を意図的に感じていたい、誰かから授かった言葉の先にあるものはなにか知らない。書き続けるこわさと書けなくなるこわさはどっちがいい?選びきれないでいたら妙に熱を帯びた惑星の上に立っていた。誰かのせいにして、解った振りで埋めた模範解答、ひそひそ話で繋がりかけた目隠しの世界で待ってた答案。会えない距離を満たす見えない会話を増やしても、聞えないようにそっとした腐った舌打ちが届かないと思い込んでいた距離を飛び越えていく。その証拠にほら君の隠し通した苦笑いですらもここから、見えるよ。
 眠れない僕の意識が肉体から離れては、根を張った僕と地球の接点に水をやる。馬鹿だな、わかってた終末色した接吻。もっと解りやすい単純な言葉で伝えたいのにな、僕らはいつまで経っても難解なパズルを欲しがる生き物だ。噛みつくした爪の甘くしびれる痛みが、唯一繋がっているような気がしてたまらなく、さみしい。ずっと先を見ていた、その方角には僕がいた。地球の球形に果てしなく今どきりとする。