ロスト・ネーム

 癒着していく核心の中で産声は高鳴るように神無月を切り裂いて往くパレード。白々しい嘘を赤に染めたらいつかの海を抱き締めたい!椿の書庫まで迎えに来て、無口な人よ。爆ぜた積み木を食い止めるには神様にでもならなくてはな、重力に甘えて身体を保つ僕の新しい名前は『  』
 途切れない回路に僕の鋏が鈍重な閃光を撒き散らしている。フラスコの中で踊るホムンクルスが辛辣な報復を超えるフロイデになるかしら?無意味な延命処置で半分になった哀しみ、小さな器官から溢れ出るそれは、僕の海だ。慰みの為に騙る粧いは不得手さ。