秋雨前線

 そのロマンスに抵抗しない。上半身には鉱物の中で眠る者を、下半身には新しい犯罪を。僕らは青い血を携え、如何でしょう、もう消えかけている八月の亡霊と対峙するこのザマは。霧雨に傘などいらない、裏切りにやさしさなど望んでおらん、愛すべき者はいつだって正しいのだから。黒い煙草に服従する僕の安楽死は間違っていると言うのかい?あたたかな食事を享受するならその濡つ顔を拭えよ、僕の暴走する陰茎を受けとめてくれるのはお前でなければダメなのだ。