睡眠障害

 歪んだ地平線に支えられた重い身体を横たえ、背骨の羅列の通りに薄っぺらい呼吸を繰り返す。悲しい自慰で震えた皮膚を舐めれば救われた気分にでもなるだろうか。一瞬見せた躊躇いの表情に血が引いてしまう、辟易としている烏が溜め息のような声で泣いている。泥の眠りを望んでいるのに、いつもいつも未遂に終わる。欠伸なんて生理現象に裏切られるのにも慣れて、瞼を閉じては安楽死の情景を導いてしまうのだ。白みだした空を恐れている、僕の欲しい夜は部屋の四隅へ逃げていく、意味のないギラギラの神経の一番太いところを一思いに引きちぎってくれよ!誰も出来ない不埒な願望がまた睡眠障害を呼び起こす。堂々巡りの円の中、沈んでいく身体がまた重力に敗北する。