交尾

 また新しい前進、無能の愛、干凅びていく暴言が善意の笑みに打ち砕かれて足元には砂漠が増える。茨の蘿、一匙の腥血で明と滅を繰り返す魔物の影。冷たい海に沈むくらいならお前を想って溢れてしまった一粒の涙に溺れてしまいたいんだ、息をしないでいられない。私の手の内で暴いて差し上げよう、その失意を存分に愛そうぞ、追従の構えで溷る熱を啣え込んで苦い海すら受け入れる覚悟は出来ている。