when i must draw

 見て、僕の扉を開ける。内臓が熱くなる、きっと、ちゃんと僕の身体の中に心が収まっているんだろう。僕の衝動が黒いインクになって紙の目に染みていく。生きたい、だから絵を描く、僕の無様な慟哭がそのままの形で出ないように必死。もう子供ではないから、感情的になったって誰も手を差し伸べやしないのを解ってしまった。急に風が吹きそうになる、この心は、もうすこしで空っぽになりそう。騙している、のだろうな、他人も、自分も。今一番その温度を欲しい人が僕の頭上を素通りしていく、その動向をつぶさに見ていた、届かないのに、もう届かないのに、どうしてこんなに焦がれてしまうんだろう、僕の絵を見てよ。静かな慟哭を、空っぽの衝動で、黒いインクが全て物語っているのさ。僕の家の庭は愛なき世界だから、その分自由だ、いつ死のうとどこで死のうと、自由だ。
 絵を描けなくなったら、僕は死のうと思っているんだ。