プラットホーム

 夜明けぬ朝朗けのプラットホームに無言の群れが潜んでいる。破っても来る沈黙、分刻みで重なる日常に疲弊し、薄れた期待に期待している。曇り空の罅割れに青白い空を覚えては、見なかったことにした。新しい光を受け入れる余地もなく、今はただ東京を貫く銀の魚を待っている。
 神様などいないと科学がそろそろ証そうとしていた!なのに何故こんなにも頼りない世界に祈ってしまうんだろう?愛という既成概念、恋という化学物質、中吊り広告に書かれた文字を紐解いて、紡いで、嘘吐きの首に縛ろうか。いつまでも波立たぬ甲から乙への繰り返しに火を放ち、目隠しをその掌で剥げ。お前が真実だと思うものを信じていろ。悪魔はいつも正しいスタンスで笑っている。