君の随に

 人差し指の切り傷が三日月みたいな形、してたから、私は今日も霙を啄む畸形の狗になる。夜明けは別に君を救う為に来るのではないことを、私は知っている。
 道徳など、皆もう疾うに忘れてしまったから、私の鬱血、化膿した傷口がじんわり火照る。世界はどうなって行くのか、残念ながら私にも解らぬや。ただ正解はなく、間違いだけが転がっている。憙!どうぞ、君の随に。私は夜明けに吠えるだけ。