知らない

 お前の真相など知り得ないことぐらい判っている。寧ろ、吐く嘘すら理解しているのか、不安だ。俺はお前の何を見聞きし解っていたのだろう?そしてお前は俺のどんな言葉に頷いていたんだ?
 揺らいでしまう、疾走する、黄昏色の風景は、嘘ばかりだった季節を軽々と凌駕していって、今やっとこの手の中さ。でもまた行く!お前の本当すらわからないちっぽけな俺の肉体など飛び越えて!西に夕暮れ、東に宵闇、それぞれを湛えて今日もまた死んでいく。虚しい心に差し込む夜は、そうさ、お前と超えていきたいんだ。
 想う、認める、許す。