雨乞い

 夕暮れの言語で喋る少女ら!目隠しで生きるには障害が多過ぎるから、誰かの真似をして進まなければ罠にはまってしまうのさ。
 秘密のレコードには針を落とせずに、妄想だけで奏でた新世界のワルツは五線譜に描けない。白痴な夕に突風で雲を呼ぶ僕は雨男で、近未来で使う呪術は発条仕掛けさ。いつしか、歴史なんで意味のないものになるんだろうな、僕は昨日を生きている訳じゃない。
 ほら来たよ、雲、湿度の粒子の中、僕はまた襟を立てて明日へと行く。僕の口笛で、お前の目隠しを溶かしてしまいたい。ちゃんと見て、ほら、君の愛しているのは、蛹の抜け殻さ。