知識の殺人

 僕らにとっての永遠なんてこれっぽっちも可能性がない。αρχη!宇宙は科学の領域か、それとも神々の庭なのか?僕は泳ぐ、エーテルで満たされた光の泥土の中、肉眼では到底見抜けない深宇宙に焦点を結ぶ。医学の進歩で生き延びていける、悲しい脳死患者の意識は、ベッドの上に横たわった肉体に宿ってるのでしょうか?早くその釦を押して私を殺して、と魂だけが憤っているとしたら…!数学者が選んだ最終定理と、物理学者が夢見た光の行き先、目くるめく君の脳内で知識の殺人が執り行われている。
 こんな日和にどう生きよう?そうだな、分厚い書物を悉く捨て、あの街へと繰り出そうか。