遺伝子のワルツ

 生まれよう、僕は今日、もう一度。きっと誰かに遇えるかなと思って、新宿へ行きます。雑踏に紛れれば紛れるだけ自分と言う単位から群集と言う単位になれる。あの街をいとしく思うのは、遺伝子レベルの話かな。なんてね、僕は一人で夕暮れの東京にどっぷりと浸かって、自分じゃない単位を楽しむのです。群衆は孤独の成れの果てです。そしてその群衆の中で、千切れては引っ付き、噛み合っては崩れる河の藻屑になりたい。一は全、全は一、それでも僕は独りです。ONE FOR ALL, ALL FOR ONE,ONE FOR ALL, ALL FOR ONE,ONE FOR ALL, ALL FOR ONE,ONE FOR ALL, ALL FOR ONE,ONE FOR ALL, ALL FOR ONE,ONE FOR ALL, ALL FOR ONE,ONE FOR ALL, ALL FOR ONE,ONE FOR ALL, ALL FOR ONE...そんな三拍子ばかりだ…