這う舌

 シルクロードの妄想が僕の八月を終わらせてくれないんだ。暦が往くよ、そしてもう帰らない。人々は環状線のように年月を指差して笑うけれど、実際僕の指が覚えている痛みとか、汚れとかはもう二度と帰ってこないから、ああ、あれだ、螺旋状に落下して行ってるんだろうな。今日の気温は何度だった?数字が意味した答えに気付いている?皮膚の下で生き延びている細い細い神経がねじ切れるくらい暑いとか、そういうことで僕を支配してください。
 這う舌、妄想に明け暮れて自慰をした。