マーチ

 僕は嘘でも良いから愛してると君に言おう!冷えて動かなくなる指先から春を呼んでるんだよ。告別式みたいに灰色の、のっぺらぼうの曇り空もあと二ヵ月もすれば太陽の産声に掻き消える、きっと、君も。
 呪いのように続く日々が、最近、やけに素晴らしいんだよ。そう思うよ、そうすれば、寂しさが紛れるんだから。
 三月が来れば僕はまた一つ年を取る。