うそつき

 世界はこんなにも美しい薄っぺらな上辺だけで、僕の底にある幼稚な部分を許してくれないんだろうなと諦めた。君は!そう言い掛けて、辞めてしまった。そしてその言葉の続きは、全部捨てた。自分で自分の形を造った。僕は僕自身で勝手な結論を1から10まで論理立てて、結局それを守る行為に徹した。順番に。毅然としていなきゃいけないと思い込んだ。僕は負けてはならないんだと思った。正しくない事をうまく処理して、感情的にならず、泣くことを忘れ、いつも凛とし、明るく振舞う。そうしなければ僕など簡単に世界から奪われてしまうと、思い込んだ。僕が僕じゃなくなって、他人の色に染まるのが怖かった。恐れている!僕と言うものが本当はなんなのか!本当と真実が一緒の事象を指さないように、僕と僕が上辺だけで挨拶をし、性的衝動に駆られ、笑い、堕ちる。暴かれたら終わると思ってた。踏み込まれたくないから僕は歌を歌った。うそつき!ってセリフを心の中で吐き続けた、嘔吐を、嘔吐を、嘔吐を、嘔吐を、嘔吐を、嘔吐を、繰り返した。世界は僕を愛してくれるはずが無く、そして宇宙も。僕の眼の焦点をどこであわせれば良いのか、今僕に結論を出せないよ。脳の中の洪水を止められずに今耳から受けている情報で必死に流れ出るのを堰き止めている。もう無理だ。僕は死のう。
 うそつきは僕だ。