WAR IS OVER

 戦争は終わったんだ!ああ、あの日の雲とおんなじように、僕の心もどこかへ流されてしまったんだね。戦争を知らない僕らはせめてあの傷を忘れないように、色んなことを知るべきなんじゃないかなぁ。「あんなひどいことなんて知らなくて良い、幸せに生きなさい」ってあの人が泣きながら言って、その伏せた目と横顔の輪郭線が、僕って生き物の心を掴んで放さない。知らないってことが罪だよ、あの日々で何人の命が空へ掻き消えた?そしてその人たちに何の罪があった?その全ての人が幸せになるにはどうしたら良いんだろうって事を考えて、僕一人が呻いても何も変えられないことに恐れを抱いて泣いた。
 今日もどこかで死を恐れて居る人がいるんだろう。でも、僕が今出来ることなんて唖然とするくらいだよ。ああ!あの日戦争が終わって!全部変わっていったね!君は生きているよ、僕も生きているよ、空が晴れて通り雨、濁った街をも愛してる。愛してるって言えないよ、伝わらない、届かない、だから僕は絵を描いていこうとしているんだね。