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 僕の向こう側で涙の河が溢れそう。おいでよ!と、言った声が、もうどこにも無くて、掻き消えてしまう騒音の隅。僕はここです、と、僕が言うのは何となくおかしい気がして、言いかけて開いた口が間抜け。
 君の方角を向いた方位磁針は、戸惑わないで君に向く!狂った僕の磁石が、それでも君を見つける尊さ!