仮初の詩

 僕の血潮で君の咽喉が潤えば良いのだけど、まだ次の生命を恐れてる。
 僕のちゃんとした意味や本当の名前を知らなくて、とっかえひっかえの日々の源流と行き着く先を探してしまう。
 仮初の詩では君を思えやしないけど、夜を越えるくらいの力がある。爪弾いた四弦の振動で、僕はまた君を思う、仮初の詩を歌ってしまうんだ。