アンダーグラウンド

 ぎらつくアスファルト、消滅に近づく私の眼に積む贋作の雪。猥雑な歌舞伎町を駆け抜ける、血潮は煮え、拳は餓える。
 不都合を許さない社会の路傍に竚む亡霊は、神でも悪魔でも、善でも悪でもない。悲しい韻律を諳ずる私の影だよ。今宵も消え欠けた月の下、暴力のワルツを踊る獣になる。