妄想ヶ丘

 地を這う風が、この不埒な気持ちを奪ってくれれば良いのに、続く世界は砂塵だけ巻き上げてどこに行く?青い空から飛び降りる体、静脈に絶え間ない春の波、と言う妄想、さあ。
 明日になれば、なんて、代わり映えのない日常を踏み潰して非凡な愛を翳す。雲を喚ぶなよ、剥がした面影を笑い飛ばす勇気を。望んだ未来の光なんて枯葉よりも薄っぺらさ。今は今!今日のよろこびに浸ればいい、隣には君がいい。