誰だろう、光を消したのは、蔓冷えの初秋に君を知ったかぶりして。触れたいのは疾しいかな、少しでも温度をくれたら認知できるのに。黙っていた、僕の眼は星を失ったんだ、ちゃんと涙は流れている?僕には見えないんだよ。危うい緯糸を解いてしまわぬように僕は何も言わずに笑っていられればよかったのにね。
 君を描く意味を知っている?その呼吸も罠も憶えていたいからだよ。事象はいつも裏切るから信じるなんて阿呆臭いね、僕はこの髄液が滴る電気信号を以て君の裏切りすら甘んずることが出来るよ。
 明日もし世界の終わる夜がいつだか判ってしまったとしたら、僕は歌っていても良いかい?砕け散る惑星の核にこびりついた僕の音が次の星に辿り着くから。僕は無辜だよ