嘔吐に花束

 淫雑の復讐、眠らない街ももうすぐ転寝をするんだろう。痣が冷える、星を攫っても物足りないなら、じゃあ次は何を御所望で?風が幾分か八月の亡霊を見失い始めたら濁って、恥じらって、触れないで。誰かが僕らの空白を笑おうと、それでもまだ何かを捨てたい。
 もう戻れないし降りられない、最終電車が睡魔に拐かされた隅田川の上を通過する、その九十九波に何百何万の酒乱への侮蔑を見た。橡の衣を来てきらきらとハロゲン燈を反射するあの巨河を、僕はまるで深夜の遊戯を傍観している瞼で冒涜している。
 嘔吐に花束を放れ!魚眼の男は明日の二人を罵って、水を干したら花を刻むよ。またDとXの旗を揚げている。僕は再び沈没していくんだ。