2007-06-22から1日間の記事一覧

夏至

春が死んで夏が甦る度に季節を間違えずに凌霄花が咲いて、お前はきっと私のことを思い出すのかな。永遠なんてないことを一番理解しているのは、私とお前です。 私は今日に溺れる。眠れない眼窩にたっぷりと湛えた真っ黒な警笛、崩壊しきったリズム、首を落と…

枇杷

ああ、飛べるかな。この夜が明けるスピードを倣い、広げた両腕を擦り抜ける重い潮風がじんと染みる。六月なのに寒くて毛細血管が縮んでいく耳が聞きたいのは、理論や数式や証明じゃなくて、海風と君の声だ。 骨が歪んでいる、僕らは引力の上で赤く融けながら…