東京湾

 ちぎれそうだよ、その光に焦がれない。雲がないね、今日は君の在処を暴けるか?晴天の心臓にまだ赤い脈がある。乾いた空気がまた僕の喉を駄目にする。ちゃんと君の目を見て話せなかった、今日はもう、喪服は着ていないよ、真珠に隠された真意、僕が泣けないその訳は!XXX...
 甘い愛の歌なんて脆弱すぎて消えそうさ。僕は多分世界に吐露すべき歌を歌えない。祈りで世界が救えたら!僕はこの姿をも構わず祈ろうか、鉄塔が何重にも描く直線と曲線の連なるラインを突き破って、その電撃で砂漠に雨を降らしてよ。向こう岸で何を嘆く?僕は、君の泣いている姿を、卑しく想像して本当に嘆いてしまうんだよ、この涙が東京湾に注いで、海洋を悲しみで満たしてくれるなら、そしてこの悲しみが雲になって、遠い街に降るのなら。
 そんな歌を弾こうか、今日は青いELECTRIC BASSで、揺さぶった頭が、正しいリズムで脳震盪を起こせるまで。五線譜に書きそびれた死に際の眼光も隠した宝石も全部君にあげるよ。