雨乞い

 飛び立ってしまいそう、風の強い日、血と肉と骨の重たい体、両の腕を広げたら、きっと飛んでいけた。脳の中で電気が錯綜する、行き場が無くなって、背骨に沿って突き抜けて、どこかに放電した、ら、バチン。嵐を呼んだ、僕は雨男で、僕の気持ちを君が読み取れないように、もっともっと酷い風が吹けば良いと思う。君のしがみ付いた臭いを雨が洗ってくれますか?
 ああ、土砂降りの、君へ。知ってる?僕はもうすぐ、一つ年を取るんだ。