海嘯

 逆さまに見ていた世界は今ようやく丸みを帯びて、君と僕の天が繋がった。コップ一杯で起こした海嘯、僕の心臓からはもう青緑の血漿が溢れそうで、
君へと続く海に独りで舟を出す。左手には生命線、右手には櫂を持ち、僕が流した涙に溺れそう。
 鉄紺の頭上に白鍵盤が散らばって光ってる。僕の好きなイ短調でなだらかに終わっていく憂鬱を惜しんだ。点の羅列で線が構成されていくよ!細胞の羅列で僕を形成したいんだ。孤独な海洋の上で君への言葉を捜してる。
 会えるかな、会えないよな、遠過ぎた言い訳だったね。