なくなってしまったんだ

 今、線上で笑う君の横顔に赦される。TOESHOESが描いた絶妙の軌道を、僕のSLIP-ONが真似して、うん、それで、弔っている僕を笑う君がいる。酷い頭痛で、思い出が消えていく!脳内の血管を感じるんだ、稲妻みたいな形で僕の頭蓋骨の中を駈けていく。僕の記憶はやっぱり二日と持たないで、完璧に、君を忘れるのに、そう時間はかからないんだよ。消える、ああ。
 十字架に似たCOLLAGE、明滅を繰り返す海上の予言獣、足らないものは、やっぱり君だった。理由を探していたあの頃の僕らは、もう戻らない卵の殻の復活の日を待っていた。僕は襟を立て、雨上がりの海を見ている。ねぇ、僕らは甘露な夢ばかり見ていたのかなぁ、そして、僕は、今裁かれるべきなのかなぁ?