螺旋階段

 快晴、風が温い、駅に抜ける道を間違えて河に着いたよ。多分僕の街から見る夕暮れは、世界で一番白痴で、一番美しいんだ。
 きっとこの橋を越えればあの街へ着く、届きやしない眺望で隠した祈り。生き延びる術を知っている、この風を読む。君のくだらない慕情で言葉なんて消せたらいいのに。