六月

 頭上にはほぼ満月、僕は檸檬味の飴を口の中の温度で溶かしている。消えかけの電灯が呼吸の速さに似ている、遠くに走る車の呻き声が響く。今!僕はひとりぼっちだけど、何故だか寒くないんだ。
 今日はビールをたらふく飲んで、少し世界が違って見えるんだ。昨日まで祈れなかった明日をちゃんと迎えられるはず。しょうもない昨日を本当に簡単に許せたよ、六月は僕の季節だ。