now-here

 少女達は眠れない街でト書きだらけの説明書を読み耽って、世界の仕組みを間違って覚えてしまうから星を見つける事が出来なくなってしまったんだね。君は可哀想だと思う?明日はいい、きっと明後日も。一年くらいは、それでも。じゃあ五年後は?十年経ったら?三十年もすれば、僕は半世紀以上生きることになる。僕らは結局星々に縋る日々が来るんじゃないかと、僕は思う、僕は立ち尽くしてしまいそうで、空を見上げては、光と影が揺れている世界の外套膜を知らない少女達を可哀想に思ったり、する。足跡を描いて、僕はここにいたんだと、感傷の風は湿り気を増した南風、次は夏だ。