グッド・ラック・ブルー

 晴天に死ぬ。僕のストールが濡れている。知らない海を目指して久里浜行きに身を埋め、大きな地震が来そうな予感が、脳の血管を走っていく。その曖昧で鮮明な耳鳴りを次の夜まで覚えていたい。
 これは、記録だ。僕の生きている証拠さ。歓びは君と寄り添うための咲き狂うメソッドさ。乗り換えた電車は銀色の巨体を滑らせて、大きく弧を描いてビルとビルの狭間を擦り抜けていく晴天の下。