TRUMPET

 誰もいない交差点で待ってる、信号は沈黙して私に法律を示している。雨は止んで、路上は少しのひかりを乱反射。ヘッドフォンから轟音が鼓膜を通過する、脊髄が弱い電撃を感じた。桜はもう青々と眠らない街光合成、薄い葉が揺れる、帯びる、謀らんで、落ちる。
 大きな夜に小さな鮫がこぼれた牙で蝋燭を灯していく。文明の速度に轢かれて僕は宙を見た!コンクリートは論って笑っていた。着地した左膝から鋭角の血漿が溢れている。壊れた車輪がきりきりと空回りする様にカルマの目、霧に潮騒、月に浦安、僕は喇叭を吹かして、君が逢いに来ることを想ってしまう。