手紙を

 八月の亡霊が繕う晴天に程近い青いクロッキー帳に書きしたためた路線図、君への手紙と僕の遺書と。伝わるなら僕は何だって君に話そう!そんな些細なことを悔いるような内容で、僕はそれを燃やすための燕のマッチをいつでもポケットに忍ばせている。
 薄い毒を飲み込み続けたら、次第に麻痺していくかな?そうしたら僕は毒を帯びながら平然と笑っていられるね。おかしくなってしまったことを今更嘆いても、もう意味がないんだ。僕が泣いてしまいそうなのはこの手紙を君に伝えるすべを僕はなんにも知らないからだ。
 唇震えた!雨に身体が舞い上がる夜。砂埃が埋め尽くす国道357号線の高架下で、猛毒の僕が手紙を灰に還してる。