処刑

 多過ぎた星を数え切れず、僕の眼は二つだよ。待っていた朝は僕の一瞬の転寝のうちに過ぎ去って、次の好機を望んでいる。夕暮れのギロチンが真実に揺らめく夜を準う、太陽は今日も処刑され、刎ねた首が西の地平線の遥か彼方に転がっていく。愛と喩えたまやかしとか貫けなかった夢の墓場に血が滲む。綺麗だ。
 夜の神話が動きだす。発条式の仕掛け時計が球体の上にある七つの潮を掻き分けて、落下する僕の庭はずぶ濡れだ。
 結局僕らの頬は降ってもない雨に濡れている。