グッドバイ

 内臓が冷えていく、凍えた心臓が循らせる血管が青白い血漿を葉月の速度で噴出している。積み上げた本やレコードの影が誰かの横顔に似ている。酒精中毒で白くはだけた行き場のない獣達が果てしなく濡れている、山が鳴いている、嘘を容易く許せよ!
 妄言が止まらない僕の頭上には星や雲や茂葉がまるであの日の兵器の形を模している。悲しい目線が見えない、君の目隠し・グッドバイ。