死刑

 混乱を催して、浸食のスピードに押し黙ったまま動けない。空白の解答欄に圧し潰されそうで、知りたくない火を見るより明らかな答え。描き続けていた筆が止まった僕の不眠症に拍車がかかる、今日の夜明け程恐ろしいものはないな。本当の顔をしても嘘つきに見えるかい?溺れる者が見せた最期の悪足掻きだとせせら笑うくらいは簡単さ、でも爪弾く喉が避け続けてきたその明言が今日爆ぜてしまうなら、大好きだったあの街にはもう二度と行けなくなる。わかるかい?僕は夏の日に得た大切な名前を失うことを恐れている。希望の光が漏れていた扉が閉まった、向こう岸のあの人が虚しく宙を踊っている、僕の頬に暖かなライン、すぐに冷えた。寒い部屋に火をつけて僕の無様な箱庭から飛翔するタイミングを見計らっている、闇夜が赤く濡れていく、サイレンが遠退いていく。叫んだって無駄だ、何一つ伝わらないじゃないか!僕の絵は何のために描いているの?この詩は結局誰の胸を打つの?伝えたい気持ちが意味を成さないなら笑う意味などない。走れない、こんな靴では、濡れていい、こんな傘なら。大きな空洞に飲み込まれていく意識の絶頂で狂ったはずの時差が治っていく。正しくなりたい、のは、こんな浅はかな自分を戒める一つの本能なのだろうか、それともこれを理性と言うのかい、毒が内臓を埋め尽くす、こんな下らない詩や絵など作り続けないほうがいいんだ。

 ああ、そうか、このロープを以て、ちゃんとあなたのために死ねばいいんだね。