電車

 消滅すべき期待など本当はないのかもしれないな。目隠しばかりが堪えられず閉じた眼を間違える。同じ方向へ走っていく電車の真ん中で次の別れ道のことを思っている、瞼の接線が循血で少し温かく感じている。
 僕らは欠乏した酸素を取り逃した唇をぱくぱくとしながら何度も泣いて、あの歌の虜だった。君であることを肯定した、いいよ、今日の御茶ノ水駅は静かだった。